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作者:直哉 酒虎

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作:直哉 酒虎

「その一目惚れは死の宣告」

 セイアドロという街の守護者であるアディール・バラエイドは、街を守るために今日も迷宮へ向かっていた。  この世界は魔刈霧(まかいむ)と呼ばれる霧に汚染されていて、身を守るためにはトメリコの樹という大樹から展開された障壁の中で生活するしかない。  トメリコの樹を枯らさないために、迷宮最奥にあるノルンの聖水を集めてくるのが守護者たちの仕事であり、街を守るために守護者たちはなくてはならない存在なのだ。  セイアドロの街を繁栄、発展させた守護者は五聖守護者と呼ばれていて、アディールもその五人の内に数えられるほどの強者だ。  そんなアディールがいつものように、幼馴染のガイスと迷宮に行った帰り、一人の少女と出会う。  名前はララーナ・ジャディビーヤ、死を呼ぶ少女(イラ・アルマウト)と呼ばれる呪われた二つ名をもった街でのちょっとした有名人。  美しい見た目に反して禍々しい形の大鎌を持っており、体格からは想像もできない重量の鎧を纏っている。  その上どんな状況になっても眉ひとつ動かさない、貼り付けられたような無表情。  しかしそんな彼女には、ある物騒な噂が立てられていた  ———彼女と迷宮に行くと、この世界で最悪の存在【悪霊】に襲われ命を落としてしまう。  今まで犠牲になったのは十二人、一人も生きて帰った者はいない。  彼女は周囲の守護者たちから忌み嫌われ、毎日一人でノルンの聖水を取りに向かっていた。  幼馴染のガイスからその情報を聞きつけたアディールは、何のちゅうちょもなく彼女を呼び止めた。 「おまえ、明日は俺と一緒に迷宮に行かねえか!」

更新:2023/9/30

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